2013年12月22日日曜日

ヴィジャイ・プラシャド『褐色の世界史』


褐色の世界史
第三世界とはなにか
ヴィジャイ・プラシャド
粟飯原文子 訳

水声社
単行本
四六並製 447頁
ISBN 978-4-89176-927-7
Cコード 1022
発売日 2013/03
本体 4,000円




第一部 探求
 パリ 理念の誕生
 ブリュッセル 1927年 反帝国主義連盟
 バンドン 1955年 アジア・アフリカ会議
 カイロ 1961年 アジア・アフリカ女性会議
 ブエノスアイレス 経済圏の構想
 テヘラン 想像力の養成
 ベオグラード 1961年 非同盟諸国運動会議
 ハバナ 1966年 三大陸人民連帯会議

第二部 陥穽
 アルジェ 独裁国家の危険
 ラパス 兵舎からの解放
 バリ 共産主義者の死
 タワン もっとも汚い戦争
 カラカス 石油、悪魔の排泄物
 アルーシャ 性急な社会主義

第三部 抹殺
 ニューデリー 第三世界への弔辞
 キングストン IMF主導のグローバリゼーション
 シンガポール アジアの道という誘惑
 メッカ 文化が残酷になりうるとき

おわりに

 註
 人名索引

第三世界をもういちど 訳者あとがきにかえて


「第三世界というプロジェクト、それはこれまでヨーロッパが答えられなかった問題を解決することなのだ」フランツ・ファノン
焦眉の世界情勢をとらえるうえで、必読の1冊!
アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、そしてアラブなどで、なぜ、いまも「問題」が勃発するのか。焦眉の世界情勢を歴史的にとらえるためのスタンダードワーク。激動の20世紀を〈第三世界〉の視座から描き出し、その未発のままの歴史/運動/現在をトータルに概括する話題の書。気鋭の訳者による渾身の解説(50枚)を付す。

I・ウォーラーステイン「今日実行可能な政治プログラムを策定するうえで不可欠な知識」
E・ガレアーノ「正史や主流メディアの陰に潜む輝かしい世界を発見する手がかり」
P・ギルロイ「ヴィジャイ・プラシャドは貴重な歴史資源を掘り起こした」

2013年12月17日火曜日

石原俊『〈群島〉の歴史社会学』(現代社会学ライブラリー)


〈群島〉の歴史社会学
小笠原諸島・硫黄島、日本・アメリカ、そして太平洋世界
現代社会学ライブラリー 12
石原俊

弘文堂
単行本
四六並製 202頁
ISBN 978-4-33550-133-3
Cコード 1336
発売日 2013/12/9
本体 1,400円


序 群島の想像力

第1章 世界市場と群島のエコノミー――海のノマドの自主管理空間
 はじめに
 1-1. 18世紀、トランスアトランティック
    ――収容所としての帆船、自主管理空間としての海賊船
 1-2. 19世紀、トランスパシフィック
    ――収容所としての帆船、自主管理空間としての群島
 1-3. 世界市場とノマドのアナーキー
    ――小笠原諸島と捕鯨業のエコノミー
 おわりに

第2章 主権国家と群島のエコノミー――捕捉される海のノマド
 はじめに
 2-1. ノマドと主権者のあいだ
    ――小笠原諸島とジョン万次郎のエコノミー
 2-2. 群島を乗っ取る海賊
    ――間太平洋資本主義の興隆と「ブラックバーダー」のエコノミー
 2-3. 主権国家とノマドの捕捉/越境
    ――小笠原諸島とラッコ・オットセイ猟のエコノミー
 おわりに

第3章 帝国の〈はけ口〉と〈捨て石〉――入植地から戦場へ
 はじめに
 3-1. 帝国に乗っかる海賊
    ――小笠原諸島と「南洋」進出のエコノミー
 3-2. 帝国の〈はけ口〉へ
    ――硫黄諸島と拓殖プランテーションのエコノミー
 3-3. 帝国の〈飛び石〉から〈捨て石〉へ
    ――総力戦と動員/難民化
 おわりに

第4章 冷戦の〈要石〉と〈捨て石〉――占領と基地化・難民化
 はじめに
 4-1. 「南洋」から〈アメリカの湖〉へ
    ――小笠原諸島・硫黄諸島からみた「戦後」の起点
 4-2. 冷戦の〈要石〉=〈捨て石〉へ
    ――軍事基地化と動員/難民化
 4-3. ポスト冷戦の〈要石〉=〈捨て石〉へ
    ――基地の整理/固定化と開発/難民化
 おわりに

結 地政学を超える系譜学へ

 あとがき


太平洋に浮かぶ小さな群島。
そこに生きる人の眼から近代世界をとらえなおす。
領土問題を考えるための必読の1冊!

現在日本の主権下にある領域も、6,000以上の島々から成り立っている。だが、この群島に住む多くの人びとは、自分の足元が島であることをみごとに忘れてしまっている。(…)「日本人」の何割かの人びとは、21世紀入っても冷戦的思考回路からの転換が最も遅れた〈冷戦ガラパゴス〉(…)というべき想像界の〈島〉に自慰的に閉じこもり、それら現実の島々の領有権問題が浮上するたびに、東アジアの人びとに対する敵対心をたぎらせ、国内の旧植民地出身者(の子孫)たちに対する退行的な人種主義を反復し続けている。
(「序 群島の想像力」より)

2013年12月1日日曜日

今和泉隆行『みんなの空想地図』


みんなの空想地図
今和泉隆行

白水社
単行本(ソフトカバー)
A5並製 158頁
ISBN 978-4-309-02235-2
Cコード 0098
発売日 2013/11/02
本体 2,000円


 序 「未日常」のフィールドワーク

1 日常トリップから、空想地図を作る
 引っ越してできた日野の日常圏
 バスから見えたとなり町の重心
 鹿児島市にあったもうひとつの日常
 鹿児島で身につけ始めた「未日常」感覚
 自分で路線図や都市地図を描いてみた
 都市調査で、空想地図が都市地図に近づく
 友人との合作でできてきた空想都市
 通学路のリズムを妄想路線で刻んでみる
 八王子のアーカイヴから都市をシミュレートしてみる
 人工都市、多摩ニュータウンを“見ては去る”
 多摩センターを勝手な空想で描き直してみる
 都市空間を空想すると、自分が見えてくる
 空想地図は、A4から模造紙に

Gallery1 空想都市「中村市」改訂の歴史

2 想像力で描く 空想都市の生態系
 「Illustrator」でトレースして、地図をデジタル化する
 「中村市」の現況と周辺を空想(シミュレーション)する
 空想都市の点と線の拡がりを描く
 空想都市をバス・トリップで巡ってみる
 空想トリップへ出かけよう!
 中村駅周辺を歩いてみる
 都心から郊外への鉄道──中村駅から熊殿駅へ
 東側の丘陵住宅地──矢萩台・紅葉丘・玉津台
 中村市の中心地──平川市街地
 城下町からニュータウンへ
 計画都市の中心地──新中村駅
 西中村ニュータウンの団地群
 ちょっとした孤島──入山田団地
 那田沢ニュータウンへ
 那田沢ニュータウンの「ゆるさ」とは
 団地や農地から、また猥雑とした街へと向かう
 生活感の交わるカオス──出ノ町
 バス・トリップを終えて
 路線の「線」のストーリーを束ねる地図作り

Gallery2 中村市──地図の裏側を覗いてみる

3 人間社会フィールドワーク──外から空想地図を読む
 まちづくりを求めて
 「東京都心=山手線という権威」への鬱屈
 東京嫌いの、東京処世術
 普通列車で、地方都市の日常をトレースしていく
 路線バスで住宅地を眺めて、都市をつかむ
 地元郊外目線で、福岡の都心(天神)を見る
 大阪の立川を探せ──郊外の都心探し
 簡単な日常化の方法──住環境調査と商業環境調査
 地図を「距離のモノサシ」で身体化する
 距離のモノサシと、適した地図
 地図を「人口のモノサシ」で身体化する
 都心と郊外を合わせた「都市圏」の考え方とは
 首都圏という巨大都市圏を み砕く
 100万人の地図──首都圏を、100万人のかたまりで見る
 100万人の地図──京阪神を、100万人のかたまりで見る
 地図を「移動のモノサシ」で身体化する
 データは視覚化すると、身体化しやすくなる
 都市は、多種多様な人びとの総体である
 まちづくりの専門家と地元民の視点の違いを知る
 人間社会フィールドワークを拡げて、自分と他人を観察する
 地理好きで、空想地図を描く私は何者か──地図作りを中断する
 空想地図の再発見──意外なところで空想地図が反響を呼ぶ
 空想地図は人びとにどのように映るのか
 空想地図、架空地図を描く人びと
 空想地図で、日常のフィールドを拡げよう

Gallery3 [地理人式]全国のつかみ方

 あとがき


タモリ倶楽部でも話題の「地理人」による、初の単行本。グーグルマップさながらの空想地図から、都市のコミュニティデザインの魅力に迫る! 誰でもできるフィールドワークガイド。カラー図版多数。
みんならしさを、地図にする
テレビ番組「タモリ倶楽部」への出演で話題沸騰! 「地理人」こと今和泉隆行による初めての単行本である本書は、ありえないほどリアルな空想都市へと、みなさんをご案内いたします。こどものころの落書きにはじまる手描き地図から、著者はいかに、グーグルマップさながらの空想地図を描くに至ったのか?
みんならしさがマッピングされた空想地図は、〈多くの人が集まる商業施設や住宅地、人や自転車、車、バスなどの行き交う道路や鉄道などの交通機関、公園や川などが描かれています。実在しない架空の都市地図ですが、現実的な日常を、見る人がいかようにも想像できるよう、それぞれのディテールをできるだけ細かく描いています〉(「序──『未日常』のフィールドワーク」より)。
まだ見ぬ日常を手がかりにしつつ「みんなの想像力」を拡張する本書は、全国各地が「あなたの地元」になりうる、誰でもできるフィールドワークガイドブックです。空前絶後の都市論が体感できる、ソーシャルデザインの世界にようこそ!
地図好きの「高低差マニア」や、電車やバスの路線図を眺めたりするのが好きな人はもちろん、町の中の看板やロゴマークや人の流れを観察するのが好きな人におすすめです。カラー図版多数収録。

2013年11月30日土曜日

ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ボルヘス・エッセイ集』(平凡社ライブラリー)


ボルヘス・エッセイ集
ホルヘ・ルイス・ボルヘス
木村榮一 編訳

平凡社
平凡社ライブラリー
B6変形 276頁
ISBN 978-4-582-76797-1
Cコード 0398
発売日 2013/10/12
本体 1,200円


論議(一九三二年)
 現実の措定
 物語の技法と魔術
 ホメロスの翻訳
 フロベールと模範的な運命

永遠の歴史(一九三六年)
 永遠の歴史

続・審問(一九五二年)
 城壁と書物
 パスカルの球体
 コールリッジの花
 『キホーテ』の部分的魔術
 オスカー・ワイルドについて
 ジョン・ウィルキンズの分析言語
 カフカとその先駆者たち
 書物の信仰について
 キーツの小夜啼き鳥
 ある人から誰でもない人へ
 アレゴリーから小説へ
 バーナード・ショーに関する(に向けての)ノート
 歴史を通してこだまする名前
 時間に関する新たな反駁
 古典について

訳者解説

 付注人名一覧


フーコーの孫引きで有名な『シナの百科事典』が登場する「ジョン・ウィルキンズの分析言語」をはじめ、時間、現実、翻訳、『キホーテ』、カフカ等について博識と奇想の横溢する諸篇を新編・新訳。

小笠原豊樹『マヤコフスキー事件』


マヤコフスキー事件
小笠原豊樹

河出書房新社
単行本
四六変形 328頁
ISBN 978-4-309-02235-2
Cコード 0098
発売日 2013/11/19
本体 2,800円


1 四月十四日
2 自殺?
3 排斥と流行
4 ポロンスカヤの回想記
5 ポロンスカヤに拍手を
6 スコリャーチン
7 混乱
8 混乱(続き)
9 最後の一週間
10 ポロンスカヤ三度目の正直
11 証拠の手紙
12 死者を悼むとは

 あとがき
 年譜ふうの略伝


革命の動乱期に激しく生き、自ら命を絶ったとされているロシア未来派の代表的詩人マヤコフスキー。巨匠の最期に何があったのか。すべて暴き真実に迫る渾身の作品。生誕120周年記念出版。
もちろん、筆者はスコリャーチンを翻訳していたから、マヤコフスキーの死が単なる自殺などではないこと、それが「強いられた死」であることを、肝に銘じていた。しかし、ジグソーパズルを始めたとき、結果としてどのような光景が現れるのかは、全くわからなかった。事件のあと、七、八十年のあいだに散らばったピースを、どんなに丹念に拾い集めたところで、こちらに都合のいい光景が現れるとは限らない。そのことは覚悟していたのだが、パズル遊びを続けていると、あれよあれよと叫びたくなるほど、くっきりと、詩人の最期が見えてきたのだ(あとがきより)

2013年11月24日日曜日

中田英樹『トウモロコシの先住民とコーヒーの国民』


トウモロコシの先住民とコーヒーの国民
人類学が書きえなかった「未開」社会
中田英樹

有志舎
単行本
四六上製 308頁
ISBN 978-4-903426-70-9
Cコード 1022
発売日 2013/03/02
本体 2,800円


 はじめに
   他者理解のための人類学
   本書の構成

序章 トウモロコシの先住民とコーヒーの国民
 第一節 先住民の苦難の歴史
   農業の近代化と先住民の強制労働
   「リベラル政権」の目指したもの
   内戦下での「トウモロコシの人間たち」
   多文化主義の二一世紀グァテマラ現代社会へ
 第二節 先住民素朴画家は語ることができるのか
   素朴画に描かれるマヤ文化
   定番モチーフ「コーヒーの摘み取り」
   未来へ向けた試金石
   説明できない「コーヒーの摘み取り」
   伝統の創造という物語
   耳を傾けるべき「声」
   議論の出発点

第一章 「未開」社会の徹底調査
 第一節 米国現代人類学の誕生
   歴史学派から機能主義人類学へ
   シカゴ大学人類学の新世代
 第二節 前途多難なグァテマラ調査
   青年人類学者タックス
   調査地の選定
   頓挫した僻地部落調査
   映画『新・ターザンの冒険』
   参与観察法への疑念
   考察対象設定における属人と属地
 第三節 現地調査の新展開
   分類される先住民村落
   我が従僕ロサーレス“my man Rosales”

第二章 理解される「未開」社会
 第一節 『一銭資本主義』のパナハッチェル社会
   「一銭」規模での資本主義社会
   シュルツの開発経済学
   『一銭資本主義』の隠された眼目
   自立できない「ダメな先住民」
 第二節 先住民社会独自の規範
   ポールのサン・ペドロ調査
   見出された独自の規模
   ウルフの「閉鎖的共同体」
   「閉鎖的共同体」のひとり歩き
   創られた歴史

第三章 書きえなかった「未開」社会
 第一節 幻の「実験」
   「実験」の発案
   段取り通りいかない「実験」
   「実験」の強制終了
   開放されたポール
   撤退を渋るロサーレス
 第二節 サン・ペドロの国家統合
   征服された「ツトゥヒル王国」
   コーヒーの興隆と集落の形成
   避難地としてのクツァン
   山を降りた先住民たち
   新たな共有地概念
   サン・ペドロの新世代
   国家統合と土地の測量登記
 第三節 ロサーレスの躓き
   閉じられなかった「閉鎖的伝統共同体」
   重なり合う二つの社会
   南部に「土地を持つ」ということ
   土地所有を判断する二つの視点
   サン・ペドロの職業別人口統計――土地の登記
   「発見」される「勤勉な先住民労働者」――労働の登記
   人類学が書きえなかった「未開」社会
   「人類学者」になったロサーレス

 おわりに
   素朴画の歴史と南部での労働
   そして再びあの絵の前へ

 注記
 本書で略記を用いた文献
 用語解説
 あとがき
 索引


人類学は「未開」社会に何を「発見」してきたのか?
多文化共生というものが孕む問題を先住民社会の中から描き出す

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